インドの食習慣を知ろう!主食や食事のマナーを詳しく解説
インドは豊かな歴史と多様な宗教的背景から日本とは異なる食文化を持っている国です。主食は米やパン、豆など地域によっても違いがあるため、旅行などで訪れた際に注目してみても面白いでしょう。今回はインドの食習慣について、主食や人気料理・マナーなどについて詳しく紹介します。
この記事を読むための時間:5分
菜食主義者(ベジタリアン)の多い国
インドは人口の3割ほどがベジタリアンとされており、肉などを食べない方が日本に比べて多くいます。宗教的な理由が絡んでおり、例えばヒンドゥー教では牛は神聖な動物・豚は不浄な動物とみなされ、口にすることができません。また宗教ごとに独自の食習慣があり、菜食主義をひとくくりにはできません。根菜類を避けるなど、動物性以外の食物を避けている方もいます。
インドの主食
ベジタリアンが多いとされるインドでは、どんな主食が主流なのでしょうか。主に食べられている主食について紹介します。
ダール(豆)
ダールはインド全土にわたり、多くの家庭で毎日のように食されています。ベジタリアンが中心のヒンドゥー教徒にとって重要なたんぱく源となるためです。
北部はパン
北インドではチャパティやナンなどのパンが主食として一般的です。北インドは冷涼な気候と乾燥した地域が多く、小麦栽培に適しています。小麦は乾燥に強く、寒さにも耐えることができるため、北インドの大平原、特にパンジャーブ州やハリヤーナ州では豊富に生産されているのです。そのため小麦を利用したパン料理が発達しており、日常的に消費される食品として定着しています。
南部は米
南インドは高温多湿であるため、米の栽培に適しています。特にケララ州やタミルナドゥ州などの沿岸部は湿潤な気候で、米作には理想的です。そのため、南インドの人々は主に米を主食としており、インドで有名なバスマティ米を始め他の品種の米も広く消費されています。
日本でも馴染みがあるビリヤニ
日本の料理店でも食べられるビリヤニは、インドで親しまれている炊き込みごはんです。米を使っていますが、南部だけでなく北部や東部でも食べられています。肉や魚、野菜など地方によって食材は大きく異なり、米の種類も様々です。
インドカレーに合わせる主食
インドではカレーに合わせる主食として、主に以下の3種類があります。
- チャパティ
- プーリー
- バスマティライス(インディカ米)
日本のインド料理店でも、この中から主食を選ぶスタイルがあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。
チャパティ
チャパティはシンプルな食品で、主に全粒粉を用いて作られます。全粒粉と水、少量の塩を練り合わせた生地を、高温のタワ(平たい鉄板)や直火で焼き、外はカリカリ、中は柔らかく仕上げるのが特徴です。チャパティは消化がしやすく食べやすい点と、さまざまなカレーやサブジ(野菜料理)、ダールとの相性が良い点が人気となっています。
また、保存食としても機能し持ち運びやすいため、旅行時の食糧としても用いられています。
プーリー
プーリーは、特徴的な調理法のパンです。チャパティと似た生地を用いていますが、プーリーは油で揚げているため独特の食感が生まれます。外側はカリカリとしていますが、中はふっくらとしていて2つの食感を味わえるのが人気のポイントです。プーリーは主に祭りや特別な宗教行事の際に作られ、家族や友人が集まる「お祝いの食べ物」としての役割を担っています。
バスマティライス(インディカ米)
バスマティライスは、粒の長さと独特の芳香が特徴で、北インドのカレー料理には欠かせません。炊き上がりがふっくらとしており、粒がしっかりと分離するため、カレーやスパイスの風味を吸い上げて最高の味わいを楽しめます。バスマティライスは、熱帯から亜熱帯にかけてのインド北部の肥沃な地域で栽培され、長い時間をかけて自然な香りが増すよう精米される米です。
洗練された香りと、食事を豊かにする風味の深さで人気となり、日本のインド料理店でも多く用いられています。
インド人が愛するガル・カ・カーナー
ガル・カ・カーナーは、北インド地域の家庭で愛されている伝統的な郷土料理です。季節の野菜や豆、そして地元のスパイスを使い、長時間煮込んで作ることが一般的です。日本の煮物やおでんに似た料理文化であり、家庭的な料理といえます。
インド料理に欠かせないスパイス
インド料理では、ターメリック、クミン、コリアンダーなどのスパイスが豊富に使われます。スパイスは料理に深みと複雑な味わいを加えるだけでなく、消化を助けるといった効果も期待できます。日本料理における出汁や醤油と同じく、インド料理には欠かせない素材です。
インドの食事マナー
インドでは「不浄」に対しての意識が強く、食事の際のマナーにもその風習が色濃く出ています。食事の際には、以下の点に注意しましょう。
右手を使って食べる
インドでは右手を使って食事をするのがマナーになります。左手は身体の清潔を保つために使っており、トイレの際に使用されるのも左手です。そのため、左手は不潔なものと見なされ、食事や他人に食べ物を渡す際には使用されません。インドでは衛生を保つための慣習であり、社会全体で共有される文化のため、必ず覚えておきましょう。
回し飲み・回し食べはしない
インドでは直接的に飲食物を共有することを、避ける文化があります。回し飲み・回し食べはもちろんのこと、他人のお皿にあるものをもらう行為もNGとされているのです。シェアや、一口貰うといった行為はタブーなので注意しましょう。
インドの食イベント「断食」
インドの独特な食文化の1つに断食があります。どのような目的、流れのイベントなのかを詳しく見ていきましょう。
断食の目的
インド人にとって断食の目的は、身体を清潔に保ち精神的な平穏を得ることです。宗教的な意味合いでは、自己制御を強化し、精神性を高めるために行われています。また、身体的には消化器系を休ませ、デトックス効果があるとされています。
断食が行われる日
断食は、宗教的な暦に従って行われます。例えば、ヒンドゥー教の場合は「エカダシ」と呼ばれる日が月に二度あり、多くの信者が穀物を避けます。また、ナヴラトリという期間中に行われる断食は特に厳格です。
断食の流れ
「断食」は、主に以下のような流れで行われます。断食中に食べられる食物は宗教などによって異なるため、下記は一例です。
- 準備日: 断食前日には、消化の良い食事を心掛けます。重い食事、特に肉や揚げ物などは避け、野菜や果物を多く含む軽食に切り替えます。
- 断食日: 断食日には、固形物を摂らずに水やフルーツジュース、ハーブティー、ミルクなどの液体のみを摂ります。多くの場合、日の出から日没まで、または24時間完全に食べ物を控えます。
- 破断: 日没時または翌朝に、軽い食事で断食を破ります。通常、フルーツやナッツ、蒸し野菜など消化しやすい食材が選ばれます。
- 回復日: 断食翌日も消化に負担が少ない食事を続け、徐々に通常の食事に戻していきます。
インドは独特の食文化がある国
インドの食文化は気候の多様性と、宗教的な背景から非常に奥深さがあります。地域によって異なる気候条件で、利用される食材や料理方法にも大きな違いがあり、北部・南部と地域によってさまざまな食材が楽しめるのです。また、独特なマナーも存在するため、現地で食事をする際は作法に注意してください。ぜひ本記事を参考に、インドの食習慣について理解しておきましょう。
アーユルヴェーダのハーバルオイル専門店|アーカーシャ
クンクマディタイラム、ヴァータオイル、ピッタオイルなどのスキンケア用品を始め、
オーラルケアやヘアケアまで、天然ハーブを用いて作られた本格的なマッサージオイルを
多数取り揃えております。正式輸入された、化粧品登録済みのハーバルオイルですので、
個人のお客様はもちろん、サロンなどのまとめてのご注文にもおすすめです。
屋号 | アーカーシャ |
---|---|
住所 |
〒655-0049 神戸市垂水区狩口台2-19 |
営業時間 |
10:00~18:00 定休日 : 土日祝 |
代表者名 | 中村 美由紀(ナカムラ ミユキ) |
info@ayurakasah.com |